フジ住宅の主要取引銀行等への要請書、および回答状況
ヘイトハラスメント裁判を支える会は、4月4日付で、フジ住宅株式会社の主要取引銀行、主要法人株主である、計16の金融機関に対して要請文を送付しました。このうち、5つの金融機関は、フジ住宅株式会社に出向社員を派遣していることが判明しています。なお、要請文には、昨年11月に言い渡された、控訴審判決ならびに仮処分決定書を添付しています。
要請文は、金融機関の種別により、「主要取引銀行」、「主要法人株主」、「出向社員派遣銀行」の3種類あります。それぞれをクリックしていただくと、要請文のPDFデータをご覧になることができます。紀陽銀行については、出向社員による原告に対する人権侵害行為が確認されていますので、別の要請文を送付しています。
全ての要請文に共通している趣旨は、以下の6つです。国連・ビジネスと人権に関する指導原則、そして2020年に日本政府が策定した行動計画をふまえて、フジ住宅のステークホルダーとして、フジ住宅による人権リスクをなくし、あるいは軽減するための適切な措置をとるように求めています。
1.フジ住宅に、人種差別的思想を醸成する効果を持つ文書の配布を止めるように促してください
2.フジ住宅に、訴訟の原告を非難し攻撃する文書を配布するなど、一切の報復行為をおこなわないように促してください
3.フジ住宅に、従業員を政治的運動に参加することを勧奨しないように促してください
4.フジ住宅に、原告に対して人種差別文書の配布、政治運動への勧奨、提訴後の非難・誹謗中傷等の違法行為によって精神的損害を与えたことを謝罪するように促してください
5.フジ住宅に、違法行為を繰り返すに至った経緯を整理し、その原因と背景の分析をおこない、再発防止のための適切な措置をとるように促してください
6.フジ住宅に、前記項目にある措置をとるにあたって、フジ住宅のステークホルダーである原告及びその代理人との対話をおこない、その内容を原告が同意した範囲において公開するように促してください
この要請文に対し、9つの金融機関から回答を得ることができました。回答をいただいた金融機関には、あらためてお礼申しあげます。
また、残念ながら7つの金融機関からは、回答をいただけませんでした。取引企業であるフジ住宅において、人権侵害が現在進行中でおこなわれているにも関わらず、被害者である原告の支援団体の要請を無視し、対話を拒否するのは、不誠実極まりない態度であり、原告に対する二次加害的な人権侵害をおこなうものです。強く抗議します。あらためて、要望書の趣旨をふまえ、そして人権を尊重する社会的責任、法令遵守、そして、各金融機関が策定している、人権ポリシーに基づき、適切な対応をとるように、強く求めます。
回答状況を一覧にしたものは、下図のとおりです。回答があった金融機関の名称をクリックすると、回答書のPDFファイルをご覧になることができます。
なお、返答があった金融機関のうち、唯一、新生銀行は、代理人弁護士による回答で、その回答内容の公表を拒否する旨が記されていましたので、回答書のPDFは公開していません。人権侵害被害者の支援団体の要請に対し、直接ではなく、いきなり代理人による回答を送付することは、人権問題に対して、不誠実な態度といわざるをえず、支える会として、ここに遺憾の意を表明します。