第11回口頭弁論の報告
原告訴訟代理人弁護士 馬越 俊佑
2018年5月17日午前10時30分から、大阪地方裁判所堺支部で、ヘイトハラスメント裁判の進行協議が行われ、同日午前11時過ぎから第11回口頭弁論が開かれましたので、ご報告いたします。
1 進行協議期日・第11回口頭弁論期日
進行協議期日では、裁判長から原告側で必要な立証事項について言及がありました。勝訴のために必要な立証事項の提示であると考えられ、原告弁護団としては、精一杯これに応えていく所存です。
口頭弁論では、被告フジ住宅から準備書面7、被告今井会長から第6準備書面が陳述され、乙17,18号証が提出されました。
また、被告フジ住宅から準備書面7についての意見陳述、被告今井会長から第6準備書面についての意見陳述がされました。
これに対して、原告代理人冨田真平弁護士から被告らの準備書面に対して意見陳述をしました。
2 被告らの準備書面の内容
被告らの準備書面については、これから内容を精査し、次回までに原告から再反論を行います。
被告らの主張は大要、「原告の主張が変遷している」、「職場で人種差別的な言動が蔓延していたわけではない」、「原告の主張は単なる感情的反発に過ぎない」などといったものです。
3 原告側意見陳述で述べたこと
これに対して、冨田弁護士より、原告の主張は訴状及び第2準備書面で明確に述べたとおりであって、変遷しているのではなく、被告からの約2万頁におよぶ大量の人種差別的文書を含む文書から、問題となる文書を特定していったものであることや、職場内で韓国人を野生動物に例えるような文書や感想文が配布される状況がまさに差別を蔓延させているといえることなどを指摘しました。
詳細は、次回期日にて意見陳述します。
4 次回以降の予定
次回、第12回口頭弁論期日は、2018年8月2日午前11時からです(従来と同様、口頭弁論期日に先立って、進行協議期日が開かれます。)。
次回に被告らの主張に対して反論し、双方の主張が尽きれば、いよいよ証人尋問となります。皆様には、ぜひ裁判期日に足を運んでいただき、法廷を原告支援者で埋め尽くし、原告を勇気づけて頂きたいと思います。
今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
以上
第11回期日の傍聴抽選券は139枚配布されました。期日終了後に近くの会場で開催した支援者集会には前回同様80名ほどの原告支援者のみなさまに集まっていただきました。抽選にだけ並んで帰られた方、支援者集会に参加せずに帰られた方もおられますので、やはり100名ほどの原告側支援者に駆けつけていただいたことになるかと思います。本当にありがとうございました。一方、被告側は70名ほどの支援者を集めており、その数は前回と比較しても増えています。取引業者と思われる工務店の制服を着たものも目立ち、動員に力を入れているようです。引き続き、より多くの皆さんに傍聴支援に駆けつけていただけますようお願いいたします。
(事務局)