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第12回口頭弁論の報告

 

原告訴訟代理人弁護士 清水 亮宏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年8月2日午前10時30分から、大阪地方裁判所堺支部にて、ヘイトハラスメント裁判の進行協議が行われ、その後続けて、第12回口頭弁論期日が開かれました。

 

1 期日の内容

 期日では、原告側から提出した第16準備書面を陳述しました。証拠として、保守速報事件の地裁判決を提出しています。

 口頭弁論期日では、裁判所から、原告がどのような損害を被ったのか(変遷も踏まえて)、原告は配布された文書をどのように扱っていたのか、他の従業員との関係にどのような影響があったのか、という点を補充するよう求められました。

 被告側に対しては、資料を大量に配布しているからには従業員に読ませることが目的として推認されるのではないか との指摘があったほか、次の点等を明らかにするよう求めました。

 

・乙6のような資料(被告が、政治的資料・教科書関係以外の資料と主張している資料)の配布の頻度と原告が問題にしている資料の配布頻度(原告が問題にしている文書の方が量的に多いと思われる)

・資料を従業員に読ませることでどのような効果を狙っていたのか

・どのような基準で配布する資料を決めていたのか

・外国への批判を内容とする文書を配布することによる批判された国籍を有する従業員への影響についてどのように考えていたのか(孤立化を招かないか)

・批判された国籍を有する従業員への影響(配慮)について事前の検討はなかったのか

 

また、教科書アンケートへの動員についても、同様に補充を求めました。

そして、原告側・被告側双方に対して、話し合いでの解決について検討を求めました。

 

 

2 期日での意見陳述

 弁護団長の村田弁護士より、第16準備書面の内容について意見陳述を行いました。続いて、会長の代理人から、予定している反論内容について意見が述べられたほか、会社の代理人からも簡単に意見が述べられました。

 

 

3 原告が第16準備書面・意見陳述で主張したこと

 前回の期日において、裁判所から、職場環境配慮義務と原告の権利侵害に関連して、①差別意図・目的が必要なのか、どのような事実に基づいてその目的が認定できるのか、②特定の集団に対する差別的文書の配布によって、なぜ個人である原告の権利が侵害されたといえるのか について釈明がありました。第16準備書面・意見陳述はこの釈明に応えたものです。

 内容を簡単に紹介いたしますと、①については、差別意図・目的がなくても、差別的言論の蔓延という効果があれば、職場環境配慮義務違反と権利侵害が生じることを主張しました。もっとも、本件においては、客観的事実から差別目的を認定することができるため、差別意図・目的が認められるという点も強調しています。

 ②については、職場という閉じられた空間かつ逃れようがない状況下で資料配布が行われたことにより、原告の権利侵害が生じたということを改めて主張しています。

 

 

4 次回以降の予定

次回、第13回口頭弁論期日は、2018年11月1日午前11時からです(従来と同様、口頭弁論期日に先立って、進行協議期日が開かれます。)。

 今後は、本年9月末までに裁判所から補充を求められた点を明らかにするほか、原告の陳述書を提出する予定です。いよいよ証人尋問に進むこととなります。

 次回期日につきましても、ぜひ裁判所まで足をお運びいただき、原告・弁護団を支えてくださいますようお願い申し上げます。

 

第12回期日の傍聴抽選券は131枚配布されました。期日終了後の支援者集会への参加者数などから、原告側の支援者は70名ほどだったと思われます。他のイベント等と重なっていたということもあり、前回の約80名と比べると、やや人数は少なくなってしまいました。被告側は、今回も動員に力を入れていました。次回11月1日(木)の期日に向けて、今のうちからご予定に加えていただき、また、友人知人の皆様へのお声かけをお願いいたします。

​(事務局)

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