ヘイトハラスメント裁判を支える会は、名称を「いますぐなくそう!レイシャルハラスメント」ネットワークに変更しました。英語表記“Stop Immediately! Racial Harassment Network”の各単語の頭文字をとって、SIRHN(サイレン)を略称とします。引き続き、ご支援をお願い致します。以下、2022年11月26日開催のヘイトハラスメント裁判を支える会の総会でご承認いただき、その後の事務局会議で語句修正等をおこなった、サイレンの趣旨、活動方針等を掲載します。
1.基本的な考え方
ヘイトハラスメント裁判は、9月8日付最高裁決定によって、原告勝訴で確定、終了しました。しかし、フジ住宅での勤務を続ける元原告に対して、いまだ謝罪等は一切おこなわれていません。元原告の名誉を回復し、社内で人種差別意識を醸成させたフジ住宅を、正常化するための取組を、継続しておこなっていく必要があります。
また、外国人住民、技能実習生、留学生等の外国人労働者が増加する日本社会において、ヘイトハラスメント裁判が問うた、職場におけるレイシャルハラスメント問題は、ますます重要な課題となっています。既に、新たなレイシャルハラスメント訴訟である、「モルガン・スタンレー」レイハラ解雇裁判が闘われています。7年以上に渡り、フジ住宅ヘイトハラスメント裁判を闘うなかで蓄積された経験、ネットワークは、職場のレイシャルハラスメントに関わる交流、相談、救済のための取り組みで、活かしていくことができる貴重なものばかりです。
このような考え方にもとづき、ヘイトハラスメント裁判を支える会を名称変更し、新たな組織へと発展的に改組していくことを提案します。
2.新組織の名称
「いますぐなくそう!レイシャルハラスメント」ネットワーク
(Stop Immediately! Racial Harassment Network/略称:SIRHNサイレン)
3.事務局
NPO法人多民族共生人権教育センター
4.新組織の目的
・元原告の支援、フジ住宅正常化に向けた取り組みをおこなう
・将来提起される可能性がある、新たなレイシャルハラスメント訴訟の支援に資するため、フジ住宅裁判の記録をまとめ、出版する
・職場のレイシャルハラスメントに悩む被害当事者が集い、語り合うネットワークを構築する
・被害当事者の、相談窓口としての役割を果たす
・レイシャルハラスメント問題について、周知・啓発をおこなう
・他のレイシャルハラスメント訴訟を支援する
5.新組織の事業計画
(1)元原告の名誉回復とフジ住宅の正常化を求める活動
・法務省人権擁護局の人権侵害救済制度に基づく申し立てをおこないます
・取引企業等に対してフジ住宅との対話を求める要望書を提出します
・フジ住宅に対するホワイト500認定取り消しを求める要望書を、経済産業省に提出します
(2)フジ住宅ヘイトハラスメント裁判を記録する事業
・7年以上にわたる訴訟について、資料集を編集・発行します
・元弁護団が保存している訴訟資料(紙ベース、デジタルファイル)を保存します
(3)交流事業
・数か月に1度、日本の事業所で働く外国人住民、外国人と働く日本人が気軽に交流することができるサロン(茶話会)を開催します
・第1回サロンは、2023年1月14日(土)午後2時より、つるはし交流ひろば「ぱだん」で開催します
(4)相談事業
①レイシャルハラスメント・ホットライン
・毎年1回、控訴審判決が確定した9月8日の前後の土日に終日電話相談を実施します
・第1回ホットラインは、2023年9月9日(土)に開始します
・ホットライン開催については、元弁護団を通じて弁護士団体と連携、協議しながらおこないます
②事務局(多民族共生人権教育センター)の電話、メールを常設の被害相談の窓口として公開します
③必要に応じて、人種差別撤廃サポート基金(事務局:NPO法人多民族共生人権教育センター)による支援に繋げます
(5)啓発・教育事業
①セミナー事業
・年1回、レイシャルハラスメントに関係したセミナーを開催します
・2023年度は 2023年11月18日(土)に開催します
②啓発事業:
・高裁判決の内容、意義を、労働者向けに周知するパンフレットを作成、配布します
(6)進行中のレイシャルハラスメント訴訟の支援活動
・「モルガン・スタンレー」レイハラ解雇裁判等、レイハラ被害者が原告として闘う裁判を支援します
6.共同代表
竹信 三恵子(和光大学教授)
寺木 伸明(桃山学院大学名誉教授)
西谷 敏(大阪市立大学名誉教授)