金融機関を対象に「ビジネスと人権」対応状況について
調査をおこなっています
ヘイトハラスメント裁判を支える会と多民族共生人権教育センターは、この度、都市銀行並びに近畿に基盤をおく地方銀行、信用金庫、信用組合、計68金融機関に対して、ビジネスと人権への対応状況に関する共同調査を行います。
すでに調査票は送付済で、11月10日までに調査票を返送いただけるようにお願いしています。その結果については後日報告します。
調査の趣旨、および内容について次の通り説明申しあげます。
(調査の趣旨)
昨年10月に日本政府が国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく行動計画(NAP)を策定したことは周知の通りです。あらためてNAPの内容を確認すると、日本政府から企業に対する「期待表明」として、「人権方針の策定」、「人権デュー・ディリジェンスの実施」、「救済メカニズムの構築」が明示されています。人権デュー・ディリジェンスの実施については、「サプライチェーンにおけるものを含むステークホルダーとの対話を行うことを期待する」と記されており、自らの事業のみならず、サプライチェーンをはじめとした、あらゆるビジネス上の関係における、人権に対する負の影響への対処が求められています。
NPO法人多民族共生人権教育センターは、2000年の設立以来、反差別・人権尊重を目指す企業のみなさまと協働し、啓発・教育、情報提供をおこなってきました。
ヘイトハラスメント裁判を支える会は、2015年8月に、フジ住宅株式会社(大阪府岸和田市)に勤務する在日コリアン3世の従業員が、同社及び代表取締役会長に対して、レイシャルハラスメント及びパワーハラスメントによる損害賠償を求めて訴訟を提起して以来、裁判を支援する取り組みをおこなってきました。
市民社会の一員として活動を行ってきた私たちは、日本で暮らす人種的マイノリティの人権状況の改善について、NAPによる要請に企業が応えていくことが極めて重要な意味をもつと考えています。
そこで、資金を提供することによって多くの企業に影響力をもつ金融機関に、NAPへの対応状況について、共同調査をおこなうことになりました。昨日付で、都市銀行、近畿圏を基盤とする地方銀行、信用金庫、信用組合の計68社を対象に調査票を簡易書留にて送付しました。各社には、11月10日(水)までに調査票を返送していただきたいこと、回答について、その有無も含めて公表することをお伝えしております。
調査票の詳細については、次のリンクよりご覧ください。