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第10回口頭弁論のご報告

 

日時:2022年12月12日(月)午前10時開廷

 

1.裁判長から時系列表と争点確認案(いずれもExcelで作成)について原告、被告双方に要望がありました

・確認してほしいところは黄色。裁判所のまとめでOKのときは着色を外してほしい

・1つの出来事について1行で説明する。行がずれるので行を増やさないでほしい

 

 これに対して、原告Aさんは「会社側とのメールでのやりとりについては、正確なところを知らせたいので、時系列表だけでなく別のものも付けたい」と要望。裁判長から「1つの出来事について1行で書け、行は増やすな」と言われたばかりですが、これだけで説明しきれないと考えているのは、傍聴席からもわかりました。

裁判長は即座に「そんな必要はありません!」と返答。キレぎみです。開廷のときは、「おはようございます」と挨拶して気持ちよさそうにしていたのに、とたんに機嫌が悪くなりました。

 

 Aさん「Excelに要約しきれません。僕が書いたら、2倍の文字量になります」

裁判長「2倍にするのはやめてください!」

 

 裁判長のまとめでは、被告が自分たちに都合よく切り張りしたものを、そのまま使っていた箇所があり、直すべきところは直してほしかったのです。それを説明すると、裁判長は「しまった」とバツが悪くなったのか、「抜け落ちているところがあれば、指摘してください」。さらに「まとめ方がつたなくて、重要なところで抜けているところがあれば指摘してください」。そしてまた、「大意として書いています。基本間違ったことは書いていないつもりですが。すみません」。と態度を豹変させました。わかりやすい人です。

 

2.報告集会

 閉廷後の集会で、弁護団、Aさんから報告がありました。

 裁判長はまた和解を勧めてきたそうです。何度も断っていて、前回は何も言ってこなかったのに、今回また勧めてきたのです。

 

 Aさんは裁判長に対する不信感を訴えます。

「僕は、会社から、(ハラスメントの調査結果のことなど)誰にも話すな、と言ったのに話したこと(口外禁止命令)が業務命令違反だとして解雇されました。でも、裁判長は、これも業務命令だし、解雇は有効だというんです。僕は裁判長に言いました。『じゃあ、僕はどうすればよかったんですか?』と。裁判長は黙っていました。こんな業務命令が合法なら、僕みたいな人間がたくさん出てきます」

 弁護団によれば、「和解を勧めてきたのは、あの裁判長だからではないか? まだ証拠の取り調べもしていない段階で、こんなことを言うのはいかがなものか。また、口外禁止命令がたとえ合法だったとしても、解雇が有効かどうかわからない」とのこと。

 また、ハラスメントについても、「大事なのは、本人の供述。直接体験した人の証言なのに、裁判長は客観的な証拠だけを求めている」とのことです。

 

 以下、Aさんのスピーチです。

「最近は体調が悪く、病院へ行ったら、医師から『まだ裁判をしているのか?』と言われました。また、友人から、『アメリカでは、上司による発言は許されない。日本の裁判所を信用できるのか?』と言われました。それでも、僕は五ノ井里奈さんの事件が大きな力になりました。赤木さん夫人からも勇気をもらいました。なぜ、国や自衛隊のような人を守らなければならない立場なのに、人を切り捨てるのか、これを許してはいけません。自分も行動を通して訴えたい」

「僕は解雇無効の裁判をやっているわけではありません。認めさせたいのは、①僕へのハラスメント、②口外禁止命令が違法であること。この2つが違法だから、解雇も違法である、という判決を求めています」

 

 最後に、フジ住宅の元原告からズームで次のような発言がありました。

 

「会社は、不都合をことを外に言うな、と自分たちにとって都合のいい決まりを押し付けてきます。でも、『言うな』といっても、下の者は情報を共有しているんです。日本の教育は従順になるよう教え込むから、会社のやっていることに対して『おかしい』と言えません。だから、都合の悪いことがなかったことにされるんです。それが、社会生活を営む上での身のこなしなんです。ほとんどの人が諦めて去っていきます。これが権力者にとって都合のいいことで、それが正解になる社会構造なんです。それを少しでも溶かしていきたい。それが溶けていったら少しずつよくなります。レイハラが社会構造に組み込まれていて、差別を我慢している人がたくさんいます。差別されている人たちの姿が見えてくるような判決であってほしいです」

「『今よりもひどくなることはない』と思って始めた裁判。高裁判決が確定しました。お金は振り込まれましたが、会社からの謝罪はありません。謝罪は意味があるもの。謝罪をどうやったら引き出せるのか。引き出さないとあかんと思います。だから、世の中にたくさん知ってもらいたいです」

 

次回口頭弁論は2023年2月20日(月)13:30 東京地裁 510号法廷
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